る君の横顔に笑みを






今日は久しぶりに仕事がオフ。朝から学校に来ていた。
学校の勉強はつまらないけど、その分愛しい人が目に入るから、学校は好きだ。
笑ったり泣いたり怒ったり。色々な表情を見せてくれるから、楽しくて嬉しくて、目が離せない。
「よっ、おだんご」
「きゃっ!もう、髪引っ張んないでよ、星野!」
「いやぁ、悪い悪い。掴みやすい所にあるからさー」
「もう、星野の馬鹿っ!」
ぽかぽかとうさぎは星野を叩く。普通の女子ならこんなことはしない。きっと、彼女だけだろう。
アイドル扱いしないで、自然な自分を見せてくれる。それが何よりも、嬉しかった。





彼女とであって、どれだけの時間が流れただろう。
長いようで短い時間。
俺と彼女の未来なんて、あるわけないけど
でも、それでも








「・・・・・あれ?おだんご?」
昼休み、校内を歩いていると木の下におだんごの姿を見つけた。近づいて覗いてみると、スースーと寝息を
立てて眠っている。
星野は思わずぷっと笑って、起こさないように声を出さずに、隣に座った。
すると、うさぎの膝の上に紙とペンが転がっているのに気づく。
覗いてみると、可愛いレターの一番上に「まもちゃんへ」と子供っぽい字で書かれていた。




(彼氏への手紙・・・・か)
クス、と笑うと、レターセットを畳んで、うさぎの横にそっと置いてやった。
彼氏がいることは知っている。その人を、心から愛していることも知っている。
でも、側にいたかった。
彼氏がいない間側にいて、守りたかった。
彼女の全てを守ることは出来なくても、せめて、こうして気持ち良さそうに眠っている所くらいは、守ってあげたかった。






「そう思うことは・・・・・罪ですか?プリンセス・・・・・」
小さく呟くと、星野はゆっくりと近づいて、うさぎの瞼にキスをした。





俺には、自分の命よりも大切な人はいるけれど
願わくば、彼女にとって今日よりもっと、明日がいい日になりますように











FIN






イメージソング:「眠る君の横顔に微笑を」三枝夕夏 IN db
この唄はどちらかというと、両想いになった場合の星うさって感じですが、今回はあえて
星野の片思いで書いてみました。
うさぎが無防備に眠っているとき、隣には星野がいてほしいと思いますvv