ずっと繋いでいたいと思う。
ずっと一緒にいたいと思う。







つまでものままで







「早くしろよ、ヴォルフ。」
「なっ、お前は婚約者を待つという気遣いすら出来ないのか!」
「だから、さっきから待ってるじゃんかよ。」



今日は久しぶりに昼間からゆっくり出来る。
という事をどこからか聞きつけてきたヴォルフに強引に遊びに行くという約束を取り付けられた俺は、
お弁当を作ってもらいこれからピクニックに出かける事となった。
コンラートが護衛に・・と言ったが、例の如く






「僕がいるんだからお前は必要ない!」



とこれまた強引に決め付け、俺が口を挟めば



「お前はこの僕といるよりコンラートと一緒にいたいのか!!」




と勝手な思い込みで迫られ・・・出かける前から疲れてしまった。





血盟城から一歩外へ出れば、快晴で太陽が眩しいほどに輝いている。
「っ・・」
「?どうした、ヴォルフ。」
俺より後ろにいた彼は目元を自分の手で隠している。
「・・なんでもない。」
その姿を見ていて思い出したことが1つ。
虹彩と呼ばれる所の色素が薄い瞳を持つ者は、光に弱いって事。
俺みたいな黒の虹彩の持ち主より、ヴォルフみたいなエメラルドグリーンの虹彩の
持ち主の方が光に慣れるのに時間がかかるって事。
今俺はその場面に直面してるらしい。
段々と慣れてきたらしいヴォルフだが、まだ眩しいらしく瞳を細めている。



「仕方ないなぁ。」
「ユーリ?」
ぐいっとヴォルフの手を掴んで俺は歩き出した。
「ちょっ、ま、待て。ユーリ・・」
「久しぶりにゆっくり出来るんだから早く行こうぜ。」




そんな事を喋りながらも俺の顔は赤いだろう。でも、それから先ずっと目的地に
着くまで俺はヴォルフの手を放しはしなかった。
その間俺の半歩後ろを歩くヴォルフは、一言も話さなかった。
俺は気付かなかったが、彼の顔も真っ赤だったらしい。











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遊月杜羽さまからいただいた(奪い取った)ユヴォル小説です!
もう顔がにやけて止まりません!
ユーリもヴォルフも初々しくて可愛くて・・・・!おて手つなぎーっ!!(落ち着け)
遊月さま、ありがとうございました!