When feeling happy
「ふにゃ・・・・」
目に入る火の光のせいで、ファイは瞬きをしながら目を開けた。
何だか体が重かった。それは遅くまで続けた行為のせいだけではない。
「・・・・ん・・・・」
少し自分より目線の上のところから声が聞こえた。
その声でどうして体が重く感じるのかようやく分かった。
それは、自分を抱きしめるように眠る黒鋼の腕が、ファイの体にのしか
かっているからだ。
「んにゃ〜・・・・重いー・・・・」
むにゃむにゃと目を擦ると、黒鋼が目を開けてファイを見た。
「重いよぉ」
「ん・・・・ああ、悪い」
黒鋼が腕をどけようとすると、ファイは黒鋼の腕を掴んだ。
「重いけどー・・・・気持ちいーからいいのー」
「・・・・なんだそりゃ」
目を細めて呆れたような顔をする。ファイはクスクスと笑うと黒鋼の腕に
擦り寄った。
「だいすきー」
「・・・・・・」
「すきすきーvv」
「・・・・知ってる」
「黒りん顔赤ーいv照れてるのー?」
「うるせーぞ、こら」
「きゃー、いたーい」
頭をぐりぐりとされて、ファイは凶暴ーと笑う。
こんな当たり前みたいな日常。それがこんなに幸せなんて。
「ねえ、黒みー」
「なんだよ」
「いてくれる?」
「・・・・あ?」
「ここに、いてくれる?」
いつか離れる、その時まで。
「・・・・・ダメ?」
少し不安そうな顔で見上げてくるファイを見て、黒鋼はぎゅっと抱きしめた。
「・・・・・黒るん?」
「・・・・お前が望むんなら」
「ん?」
「・・・・いくらでも、いてやるよ」
「・・・・うん」
幸せで幸せで、とても温かい言葉。
「・・・・キス、して?」
瞳を閉じてそれを誘うと、そっと暖かくて柔らかい感触が降りてくる。
いつかこのぬくもりが離れるとき、俺はどうしているのかな。
泣いている?笑っている?・・・・分からない。
だけど、今はとても幸せだから
どうか、この時間を奪わないで
FIN
短っ;;
15分くらいで仕上げました、これ。