馬鹿みたいに想うこと 続き
・・・・・・・・ありゃ。やっぱりばれてたんですか。さすが、大賢者様ですねぇ。
でも猊下、最初っから起きてたんじゃないんですよ?最初はホントに眠っちゃってました。
どのあたりだったかなぁ・・・・・・そう。猊下が切なそうな声で・・・・・・俺の名前を呼んだ時。
夢の中の猊下の、泣き声が聞こえた気がして。
俺は猊下を探してたんです。
抱きしめたくて、涙を拭ってあげたくて。
俺は貴方を必死に探したんです。
そしたら・・・・・・・目、覚めちゃいました。本物の猊下を見つけたから。
「・・・・・・反則だよなぁ・・・・・・」
『君が、僕だけの君でいればいいのに』
『君が見つめるのは、手を伸ばすのは、僕だけでいればいいのに』
・・・・・・俺だって、いつも思ってるんですよ?
猊下が見つめるのが、俺だけであればいいのに
手を伸ばしてくれるのが、俺だけであればいいのに
だけど、貴方は決してそれをしないでしょう?
俺だって貴方がホントにそれをしたら、怒っちゃいますよ
だって、俺たちが守るべき人は、本当はたった一人なんですから
だけど・・・・・・だけど
「・・・・・・ズルイですよ、猊下・・・・・」
あんなこと言われたら、俺は望んでしまいます
しちゃいけないって分かってるのに
貴方だけを見つめてしまう
貴方だけを捕まえてしまう
だけど・・・・・・・そうだな
こんなこと考えるなんて、いけないことだって分かってるけど
貴方だって、怒るでしょうけど
万が一、俺と貴方だけになったら
俺の守るあの人が、いなくなってしまったら
俺は貴方を捕まえてもいいですか?