教えて、Teacher!
 






Lesson1:英語



とっても綺麗で、とっても優しくて。誰もが見惚れてしまう。
それがあたしたちの先生で、そして私の恋人だった。






「せんせーっ、これ調理実習で作ったの。受け取ってくださーいっ」
「ああ、サンキュ」
「先生、私のも!」
群がる女の子たちの中心にいるのが、十番中学の英語教師。
この中学校にはアイドル顔負けのカッコいい先生が3人いる。
その一人が今女の子に囲まれている先生。
星野光先生。
さらさらの長いストレートヘア。長い手足、細くて綺麗な指。
そして何より、笑顔がとっても素敵なの。そんな先生が赴任してきたのが今年の春。
もうみんな一瞬で夢中になってしまった。
まあ、無理もないか・・・・・・ホントにカッコいいもん。そんなこと、あたしが一番よく知ってるから。




でも・・・・・やっぱり面白くない。
だって・・・・・先生は、あたしの・・・・・・





「おだんご!」
「っ」
考え込んでいたら、先生があたしを呼んだ。女の子たちの群れの中からあたしを見つけてくれた。それに少し
ドキッとする。
「おだんご」
「・・・・・おだんごって呼ぶなって言ってるでしょっ」
ぷいっとそっぽを向くと、先生は苦笑する。チラ、と先生の方を向くと、目が言ってた。ごめんって。
「ホラ、俺からのプレゼント」
「ほぇ?」
ぴら、と目の前に見せられたのは、英語の答案。しかもでかでかと15点と書かれている。
「ぅっきゃああっ!」
ばっと答案をひったくると、先生はお腹を抱えて笑ってた。
「せんせぇ!」
「わ、悪い悪い。でもま、とりあえず赤点だから」
「ぅ・・・・」
「放課後、資料室な」
ぽんぽん、と頭を二回叩いて、あたしの横を通り過ぎていった。その後を、さっきの女の子達の群れが
追いかけていく。
あたしは、先生が叩いた頭にそっと手を添える。



頭を二回叩くのはね、合図なの。
あたし達だけが通じる合図。
「好きだよ」っていう無言の言葉。











「んっ・・・・!」
がたん、と本棚が音を立てる。背中には固い本棚、そして唇には優しくて熱いキス。
腰に回された手が大きいことが分かる。
「はっ・・・・」
何度も何度も重ね合わされて、息が乱れる。恥ずかしいくらい、顔が真っ赤になって、膝ががくがくして。
必死に先生にしがみつく。そうすると、先生は笑ってあたしのことを抱きしめてくれる。
「せんせぃ・・・・」
「・・・・おだんご、すっげー可愛い」
「あっ・・・・」
首筋にキスされる。体がびくっと震えて、先生の服を握り締めた。
「せ、せんせ・・・・・勉強、は・・・?」
「俺としちゃ、こっちの勉強をさせたいんだけど・・・?」
「っ・・・・ふゃ・・・・」
「いや?」
「んっ・・・・やじゃ、ないけど・・・・」
「けど?」
「・・・・・がっこぅ、だし・・・・・」
声が段々小さくなって、顔がどんどん熱くなってくるのが分かる。そして、あたしが先生を見上げると、
先生は何故か顔を真っ赤にして固まっていた。




「せんせ?」
「・・・・・あ・・・・・いや・・・うーん・・・・」
何が言いたいのか分からない。あたしは、きゅっと先生の袖を掴んだ。
「どうしたの?」
「いや、まあその・・・・・なんだ」
「ん?」
首をかしげると、先生が突然ぎゅうっとあたしを抱きしめた。
「せ、先生?」
「・・・・・俺の彼女はかわいーなーって再確認してたの」




・・・・・・絶句。
そんなしみじみ言われても困るんだけど。
あたしだっていつも思ってるよ?
あたしの彼氏は・・・・カッコいいなーって。
世界で一番カッコいいなーって。
・・・・どうしよ。英語より、やっぱりこっちの勉強したいかも。
・・・・・・・ごめんね、先生。教師不幸者で。
でも、恋人不幸者にはならないから、許して?
・・・・・・・うん、だからせめて。



「・・・・・せんせ」
「ん?」
「・・・・・・あのね」
「うん」
「・・・・・・・I Love you」




英語で送る、愛の言葉。





小さく呟くと、先生の顔がまた赤くなる。
そんな先生を見たらね、カッコいいって気持ちとは別に、可愛いなって気持ちが生まれた。



うん、やっぱりね。
あたし、月野うさぎはカッコよくて可愛い星野先生が大好きです。













FIN






ぅわーお、偽者;;
こんな調子で連載続けようとしている無謀な私でスイマセン;;







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