いきなりサラが出演?ということで、ちょっと補足をしたいと思います。
- ユーリたちは19歳で、4年間の間に人間の国やシマロンとは和解しています。
- サラが好きな方はこの先は痛いものかもしれません。
説明ばかりですみません。
それではどうぞ。
■ 呪縛 〜悪夢の始まり〜
■
「びっくりしたー。まさかサラがこっちに来てるなんてな」
「驚かせてごめんね、ユーリ」
あの後、僕達は城に戻ってサラレギー陛下と一緒にお茶会をすることになった。
相変わらずの笑顔は、なんだか親近感を感じるものがあった。ま、つまり色々胸のうちに隠して
企んでるってコト。僕だって自覚してるもんね。
初めて会ったときから、彼とは同じ匂いがするような感じだった。
「ホントに久しぶりだよな。もう1年くらい会ってなかったっけ」
「うん、そうだね。そっちの大賢者様も久しぶり」
「うん」
僕は適当に相槌を返す。嫌いではないけれど、彼はなんとなく苦手。渋谷とは気が合ってるみた
いだけどね。
「ねえ、ユーリ。急で悪いんだけど、しばらく泊まっていってもいいかな?」
「え?ああ、もちろん!ゆっくりしていけよ」
渋谷は明るくそう言うと、思いついたように僕の方へ振り返る。
「村田はどうする?眞王廟に戻るか?」
「僕?うーん・・・・どうしよっかな」
「村田も泊まっていけよ。それに・・・・ホラ。明日はヨザック帰って来るんだしさ」
最後の一言だけ、サラレギーに聞こえないようにこそっと僕の耳元で言う。
「最初にこっちに報告に来るんだし、血盟城にいたほうが早く会えるぜ?」
・・・・言うようになったねぇ。渋谷クンも。
ま、確かに・・・・渋谷の言うことにも一理あるかな。どうせ眞王廟に戻ったって後は眠るだけで
特に何もする予定ないし・・・
「じゃあ、お言葉に甘えて」
「よし!じゃあ、客間を二つ用意させるな」
渋谷はにこっと笑って、グレタと一緒に部屋を出て行く。そうなると、必然的に僕とサラレギー
が二人きりになり、ちょっとだけ気まずい。かちゃんというカップの音が、やけに大きく感じる。
「ユーリは可愛いな。あの様子じゃ、狙っている者も多いだろう?」
「え?ああ、まあね。本人天然だから、分かってないけど」
「はは、ユーリらしい」
「君も、その中の一人なんじゃないのかい?」
「僕?うーん、まあ確かに可愛いけど、僕のタイプは別にいるんだよね」
「別?」
「そ。たとえば君みたいな」
にっこりと笑って指を指されて。僕は思わず目を丸くした。だけどすぐに我に帰って、紅茶を
口にする。
「それはどうも」
「あ、信じてない?」
「大賢者に対するお世辞でしょ?それはありがたく受け取っておくよ」
「ユーリも天然で鈍いけど、君もそうだな。僕は本気だよ?」
「はいはい。でも撤回してくれない?僕は渋谷ほど鈍くはないよ。どっちかって言うと鋭いって
言われるから」
「確かにね。でも、自分のことに関しては鈍いタイプだ」
クスクスと笑ってからかうような言葉は、どうも気に入らない。それは僕の専売特許だから。
他人にやられると腹が立つ。
「僕はそういうことは無闇に信じないようにしてるから。不意を突かれて罠に嵌められるなんて
真っ平だからね」
「ふむ。国のトップとしてはいい言葉だね」
感心したような口調。それもなんだか気に入らない。つくづくウマが合わないんだろうな。
この手のタイプと。
それから僕達は、お互いの腹の内を探るように、渋谷が戻ってくるまで笑顔を絶やさずに会話を
続けた。
気に入らない。ただそれだけの思いで終わるはずだったのに。
どうしてあんなことになってしまったのだろう。
☆ ★
その日の夜、僕は渋谷が用意してくれた客間で眠りについた。眞王廟と同じで、血盟城のベッド
も大きい。無駄に柔らかな布団の中に体が沈む。
広すぎるベッドで、大きな枕。僕は思わずその枕を抱き枕代わりにして抱きしめる。
だってやっぱりベッドが広すぎる。妙に落ち着かないから。だけど、ふかふかの気持ちいいベッ
ドはやっぱり好き。
ここにヨザックがいればいいのになぁって、また無駄なことを考えちゃう。まあ、明日になれば
会えるんだけどさ。
仕方がないからヨザックの夢を見ようって思って、僕はぎゅうっと枕を抱きしめた。
「ん・・・・」
ころりと寝返りを打つ。するとその時、ふわりと暖かいぬくもりが、頬に触れた。
あったかい。柔らかい。そんなぬくもりが唇に振ってくる。
「んっ・・・・・」
息苦しい。濡れた感触がする。この感触には、覚えがあった。
「ふあっ・・・・ん・・・・」
キス、されている。大賢者である僕の寝室に忍び込んで、こんな大胆なことするなんて。
それとも、これって夢?ヨザックにこうしてもらいたいっていう、僕の願望なの?
だとしたらなんかスッゴイ恥ずかしいんですけど。
でも、夢ならとことん甘えちゃおうと思って、僕は相手の首に手を回して抱きついた。
「よざ・・・・・」
何度も何度も唇を重ね合わせられて、舌を口の中に入れられる。熱くって、柔らかくって・・・・・
でも、なんか変だ。なんとなく感じる、この違和感。
「んふっ、あっ・・・・よざっ・・・・・」
足でシーツが引っ張られる。力強く僕を押し付けて、唇を重ねられる。
違う。ヨザックじゃない。たとえ夢でも、これは違う。
それにだんだん、ホントに息苦しくなってきた。僕は相手の袖をぎゅうっと掴んでぐっと押し
た。だけどびくともしない。さすがにもう我慢できなくて、僕は目を開けた。
「あっ・・・・・んんっ!!」
「・・・・目が覚めた?」
「っ・・・!?」
僕は目を見開いた。そんな僕を見て、相手は笑みを浮かべた。
「サラ・・・・レギー・・・!?」
「おはよ。大賢者様」
にっこりと笑うサラレギーを見て、僕は慌てて押し返そうと力を込めた。だけどびくともしな
い。それどころか余裕の笑みを浮かべて僕に深く口付けた。
「んんっ・・・!あっ、や・・・!!」
顔を背けようとしたけれど、頬を押さえられ、身動きが取れない。暖かくて気持ちがいいと感じ
た唇も、今は気持ち悪い。
早く離れて。どいてよ。ヨザック以外に触れられたくない。
「んっ、はあ・・・・・やだっ・・・・!!」
「暴れないで。怪我はさせたくない」
「いやっ・・・!それ以上近づいたら、舌を噛み切ってやるっ・・・・!!」
「・・・・それは困るな」
ふっと笑って、深く口付ける。舌を噛み切ることのないように。だから僕は、ぬるりと入り込ん
でくるサラレギーの舌に噛み付いた。サラレギーは一瞬怯んだけど、気にせずキスを続けた。
「んふっ、はあ・・・・・」
意識がとろとろに溶けてくる。気持ち悪くっても、キスには変わりなくて。寒気がするくらい
嫌なのに、唾液が絡み合う音が酷く耳に届いて。
サラレギーがゆっくりと唇を離すと、すっかり力が抜けていた。
「言っただろう?」
「え・・・・」
「お前のような奴がいい、と」
「なっ・・・・」
言い返そうとすると、両手首を捕まれて頭の上に上げられる。そしてあっという間にベッドサイ
ドに括り付けられた。
「やっ・・・・離せ!」
「離さない」
パジャマのボタンが外される。そして露になった肌に、サラレギーの手が這わせられる。
「やっ・・・・!!」
「・・・・可愛い反応」
今まで感じたことのない気持ち。肌を這うサラレギーの手が僕の胸の突起を転がす。
「やだっ・・・・あぁんっ」
「こういうこと、したことない?」
「んんっ・・・・」
「初々しい反応してる。でも、すごく可愛い」
「ひあっ・・・!!」
ぴちゃりと舐められて、背が反り返る。生暖かい感触はどんどん下に下がっていって、サラレ
ギーの手がズボンにかかる。
「やっ、やだっ・・・・!!」
ずるりとズボンを下ろされて、ズボンで隠れていた足が外気に晒される。
「やめてっ、いや・・・・あ、ああっ!」
ぴちゃりと口に含まれて、体が大きく跳ねる。
今までに味わったことのない感覚。ぴちゃぴちゃという音を聞きたくなくて、僕は耳を抑える。
「んあっ・・・・・・あっ・・・・」
体が震える。体が熱くなってくる。これ以上、声を聞きたくなかったし、出したくなかったけ
ど、耳も口も手で抑えることは出来なくて、唇を噛み締める。だけど、体中に襲ってくる熱い
感覚は収まらない。
「んんっ、あ・・・・・・」
噛み締める唇から、鉄の味がする。強く噛んでたから切れたんだ、ということがわかる。
それに気づいたのか、サラレギーが顔を上げる。
「ダメだよ・・・・そんなに噛んじゃ」
「あっ・・・・んんっ」
サラレギーが僕に深く口付ける。だけど、下肢には手を持っていって、愛撫をやめようとは
しなかった。手と唇の感触が同時に湧き上がってきて、体がどんどん熱くなってくるのが止まら
なかった。
「あっん・・・・やあっ・・・・・ひ、ああっ!」
「ここ?」
「あ、やめてっ・・・・!!嫌だっ、もう・・・・・触んないでっ・・・・あ、ああっ・・・!!」
「気持ちいい?イキたい?」
「あっ、は・・・・ん、あっ・・・・だ、ダメッ・・・・あ、ああっ!」
足がシーツを引っ掛けて、皺を作る。一つの波が去って、体の火照りが少しだけ収まった。
だけど、息が乱れて止まらない。はあはあ、と息を吐いていると、口の端に流れた唾液をぺろり
と舐められた。
「たくさん出たね・・・・・気持ちよかった?」
ふっと笑われて、手の中に放たれた白濁の液を、僕の目の前でぺろりと舐めた。
僕はキッと睨みつけると、唯一自由になる足を使って、サラレギーを蹴りつけようとした。
だけど、力が入ってなかったのか、簡単に止められてしまった。
「まだ、そういうことする元気があるんだ。じゃあ、この先をしても大丈夫だね」
「先・・・?」
「大丈夫・・・・なるべく痛くないようにしてあげるから」
ふわりと微笑むと、サラレギーは僕の口の中に指を入れた。
「んんっ・・・・!」
苦い味がした。これが僕の放ったものだと思うと、嫌な気持ちで胸がいっぱいになって、吐き気
がする。
「舐めて」
「んふぅっ、ん・・・・・」
思いっきり噛んでやろうと思ったけど、顎にもう力が入らない。僕はサラレギーの言うとおり、
彼の指を舐めることしか出来なかった。
「・・・・いい子」
「ふはっ・・・・」
指が口から抜かれて、僕は息苦しさから解放され、ごほごほと咳き込む。
「力、抜いてて」
「え・・・・あ、ああっ!!」
ずくんっと痛みが体中に広がる。細いサラレギーの指が、僕の中に入っていくのが分かった。
最初はゆっくり入れてたけど、次第に動かすスピードが早くなってきて、痛みと恐怖から僕は
涙を流した。
「んあっ・・・・いやああっ!!」
「結構締め付けてる・・・・もっと力抜いて」
「できなっ・・・・・やだ、抜いてっ・・・!!」
「それはダメ」
そう言って笑うと、僕の体のいろんなところに舌を這わせていく。そして最後には、またあそこ
を舐められて。
悔しいけど、死んじゃうくらい悔しいけど、先走りの液が流れてくるのが分かる。
こんなことをされてるのに、体は素直に喜んでしまっている。それが嫌で、僕は目を閉じる。
これ以上感じたりなんかするもんか。そう決意を固めたけど、指の動きが早くなるにつれ、どん
どんそこがほぐれていくのが分かる。熱がどんどん高まってきて、信じられないくらい、体が
火照って。
滑らかに指が通っていっていることを否定できなかった。
「あっ、ん・・・・・・はあっ・・・・」
「気持ちいい?」
「んんっ・・・・!!」
最後まで抵抗してやる。そんな気持ちを高めて、僕は首を横に振った。するとくすりと笑う声が
聞こえて、ずるりと指が抜かれた。
「っあ・・・・・」
「素直じゃない子にはお仕置きしなきゃ、ね」
そう言うと、僕の足を左右に開く。ぞくりと寒気がした。嫌な予感が体中を巡っていく。
「いやっ、やだ・・・・」
「・・・・初めて・・・・だっけ。ちょっと痛いかもしれないけど、我慢して」
「いやっ、いや・・・・・それだけはやめてっ・・・・・」
「・・・・君を僕のものにしたいから、それはダメ」
「やだっ・・・・・い、あああっ!!!」
指とは違う圧迫感。ドクドクと脈打つものが中に入っていくのが分かる。
痛みも半端じゃなかった。痛くて、死んじゃいそうで、僕は涙を流す。
ぎしぎしとベッドが揺れて、軋む音が室内に響く。こんなに大きな高価そうなベッドなのに、
激しく動かされて壊れてしまいそうだ。
「ひああっ・・・・・あ、ああっ!!」
「すご・・・・・君の中、すごく熱い。初めてとは思えないくらい感じてるみたいだね」
「いやっ・・・言わないで・・・・あ、ああっ!」
もっと奥にずんっと深く突き刺さる。
痛くて、しんどくて、どうしようもないのに。
だんだん体がそれに慣れてくる。吐息が漏れて、顔が火照る。
快楽に、飲まれていきそうになる。
「ふあ・・・・ぁんっ・・・・」
「あ、感じてきた?気持ちいい?」
「そんなことっ・・・・な・・・・あ、ああっ!」
必死に反論しようとすると、サラレギーがぎゅっと力を入れて、触っていた僕のを握る。
「嘘ばっかりいう子にはお仕置き。さっきも言ったよね?」
「ひあっ、あ・・・・や、だぁ・・・・」
「だったら、イかせてって言って?」
「なっ・・・・」
「強請ったらイかせてあげる。でも何も言わないならこのままだよ」
快楽の破棄口をせき止められて、体が大きく跳ねる。苦しくて、辛くて仕方が無い。
それなのに、サラレギーの動きは止まらなくて、何度も何度も奥に突かれる。
「ひあっ、ああっ!やだっ、もうダメッ・・・・!」
「イキたい?」
「んんっ・・・・!」
「ね・・・・イキたいんでしょ?だったら可愛くお強請りしてみてごらん?」
「っ・・・・」
冗談じゃないと思った。誰がそんなことしてやるもんかって思った。
だけど、体はそんな気持ちを無視するみたいに言うことを聞いてくれなくて。
今はもう、意識がほとんど遠のいてしまっている。
言いたくない。快楽に負けてしまいたくない。そう思ってるのに・・・・
「・・・・せてっ・・・・」
「ん?なぁに?」
「イか・・・・せてっ・・・・おねがっ・・・・」
震える手で、サラレギーの服をつかむ。もう今は、この快楽の渦をどうにかしたくて。
それしか考えられなかった。
「我慢できない?」
聞かれて、こくこくと頷く。
「・・・・よく出来ました」
そう呟くと、握っていた手を緩めて、ぐちゃりと音を立てて手を動かした。そしてそれと同時
に、最奥へと突かれる。
「あ、ああっ!!」
ドクドクと熱いものが放たれて、僕のお腹の上に落ちる。だけど、サラレギーの動きは止まらな
くて、僕はまた体が反応する。
イヤだって思ってる。早く終わって欲しいと思ってる。
そのはずなのに・・・・・もう、どうしようもないくらい、体が気持ちよくなってきている。
「あ、ああんっ・・・・!あ、そこっ・・・・・」
「ここ?」
「う、んっ・・・・そこ・・・・ひああっ!」
ぐちゃぐちゃと響き渡る粘膜の音。何度も何度も突かれる感覚。それら全てが僕を刺激して、
どうしようもなくなってくる。
「気持ちいい?」
「う、うんっ・・・・気持ち、いいっ・・・・・あ、ああっ・・・!」
「もっと、してほしい?」
「っ・・・・うんっ、もっと・・・・もっとぉ・・・・」
「・・・・・すごく可愛い。いいよ、もっとしてあげる」
イイと頃を何度も何度も突かれる。また、ドクドクと中心が熱くなって来る。
「あっ、ダメッ・・・・!!もうイクっ・・・・イッちゃうっ・・・!!」
「いいよ、イッて・・・・僕もそろそろ・・・・」
「あ・・・・あ、ああっ!!」
「くっ・・・・」
サラレギーの呻き声が聞こえた直後、中に熱いものが入ってくるのが分かる。
僕はその時、もう心身ともに疲れ果てていて、ゆっくりと意識を失った。その時、僕の頭にあの
オレンジ頭の青い瞳の、あいつが思い浮かんだ。
(ヨザック・・・・・)
ごめん・・・・・・
薄れ行く意識の中、僕は記憶の中にいるヨザックに涙を流して小さく呟いた。
