※大したことはありませんが、性描写があります。12禁ほどなので、
ホントに大したことはないです(汗)
夢を魅せて 2
「うわー・・・・やっぱり広いねぇ」
星野が借りた二人で住む新しい部屋を見渡して、うさぎは感心したように呟く。
「二人には少し広いけど・・・・・でも、プリンセスからあまり離れることは出来ないから」
「あ・・・・そっか、そうだよね」
うさぎは納得して、ふわふわのソファーに座る。
「でも、こんな素敵な所に住めるなんて夢見たい。それも、星野と一緒に・・・・・」
「・・・・・・・・おだんご」
少し驚いたような声をする星野に、うさぎはハッと我に帰る。あまりの嬉しさに、恥ずかしいことまで一緒に言って
しまったと気づく。うさぎは顔を赤くして、笑って誤魔化そうとした。
「あ・・・・あははー、ごめん変なこと言って。あ、そうだ。お茶でも淹れよっか。ねえ、ティーセットある?」
顔を赤くしてえへへ、と笑いながら立ち上がる。すると、星野がうさぎの手を取って引っ張り、そのままうさぎの視界は
ひっくり返った。
「きゃっ・・・」
ぼすん、と背中にやわらかい感触がして目を開けてみると、非常に整った顔が目の前にあって、どっきん!と大きく
胸が高鳴る。
「せ、せせせっ、星野っ」
「おだんご・・・・・」
「や、やだっ、何してんのよっ」
「ちょっと欲情した」
頬に口付けられながらそんなこと言われ、うさぎはぼんっと耳まで真っ赤になる。
「や、やだっ」
「しょうがねーだろー・・・・・男なんだから」
「だ、だって・・・・・・・」
「悪いけど、まだベッドないんだ。ってことでここでいい?」
「ダメ!」
「・・・・・・・・即答だなー・・・・」
はあ、とため息をついてがっくりと項垂れる。
「でも、もう止まんねーし」
「あ・・・やっ」
ぴくっと震えてぎゅっと目を閉じる。星野の手がするりとうさぎの服の中に滑り込む。細く長い指が、うさぎの
肌を這っていく。優しく撫でるその手が、くすぐったくて心地よくて。
嫌だなんて気持ち、本当は全くない。ただ、恥ずかしいだけだ。
「せいや・・・・・・せいやっ」
名前を呼んで、星野の首に腕を絡める。それが、始まりの合図。
「うさぎ・・・・・」
顔を近づけて、ゆっくりと口付ける。
特別な時間では、名前で呼ぶ。それがうさぎはすごく好きだ。
まるで麻薬のような星野の色っぽいその声に、虜になる。
何度も何度も唇を重ね合わせると、うさぎは苦しそうに息を吐く。
「せいやっ・・・・・・あ、ん」
服を捲り上げ、見えた肌に口付ける。びくっと体がはねて、うさぎは星野の服を握り締めた。
ぷちん、とブラのホックが外される。普段、自分からしか外されない所を他人に外されるこの行為に、どうし
ても慣れることは出来ず、うさぎは顔を真っ赤にして目をぎゅっと閉じていた。
「うさぎ、めちゃくちゃ可愛い・・・・」
「やあっ・・・・・んん、ダメ・・・・・」
びくびく震えて、口を塞いで声を抑える。ソファがぎしリと音をたて、二人分の体重を支えてくれる。
ダメだといううさぎの口を、星野が優しく塞ぐ。星野の唇に言葉が飲み込まれたが、柔らかな感触が気持ち
よくて、自分からキスを求めた。
ずっとずっと、こうしていたかった。離れたくなくて、星野の背に手を回した。
「星野・・・・・せいやっ・・・・・すき・・・・」
「うさぎ・・・・・」
はあ、と息を吐いて光る汗。
その表情が信じられないほど色っぽく。
魅入ってしまっていた。
「せいやー、いるんでしょ?返事くらいしなよ」
ガチャ、とリビングのドアが開く。夜天が姿を見せる。
ぴた、と行為の手が止まる。ぎぎぎ、とロボットのように夜天の方へ顔を向けた。
夜天は目をぱちくりさせる。星野とうさぎはさーっと顔を青くして動かない。夜天はポリポリと頭をかくと、
呆れたように目を細める。
「鍵くらいかけてなよね・・・・・・・じゃ」
バタン、とドアが閉まる音が響く。そしてその後玄関のドアが閉まる音が聞こえる。固まっていた星野は
何とか自我を取り戻して向くリと起き上がる。
「あ・・・・・えっと、ごめん、おだん・・・・・」
ばっちんっ!!
「いってぇ!」
「星野のばかぁ!もう知らないっ!!」
顔を真っ赤にして叫び、高速で服を整えてバタバタと部屋から出て行った。星野は叩かれた頬に手を添える。
そしてはあ、と一つため息をつくと、くしゃっと髪をかきあげた。
2
「あははははっ!!!」
隣の元自分の家へ戻ると、まず一番に夜天に大笑いされた。理由は、頬についた大きな赤い手形である。
「まあ・・・・」
「月野さんですか?全く・・・・星野は本当に見境がないですね」
「これの原因の90%はこいつなんだっ!!」
夜天をびしっと指差しながら叫ぶ。
「でも、星野が見境ないことは変わんないじゃん。女の子をあんな所でさー」
「コラコラ、夜天。いけませんよ。プリンセスの前です」
「あら。私はもっと聞きたいですわ」
「プリンセス・・・・」
がっくりと星野は肩を落とす。
「で?一体なんなわけ?」
「ん?」
「俺に用があったんだろ?」
「あ、そうだった・・・・・えっと・・・・・」
夜天はチラ、と火球の方に目を向けた。するとそれに気づいて、火球は真剣な瞳を星野に向ける。
「星野」
「はい?」
「・・・・・実は・・・・・・言いにくいことなんですが・・・・・」
「え?」
火球は一瞬目を逸らすが、しっかりと星野を見上げた。
「新たなキンモク星の自然環境が整いました。・・・・・・移住の準備を、始めたいと思います」
「・・・・・え・・・・・・」
星野は目を見開いた。大気と夜天も、小さく頷いた。
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